大慈恩寺(西安)で三蔵法師ゆかりの大雁塔・玄奘三蔵院を訪れる旅

                   

中国西安のシンボルである大雁塔は三蔵法師のゆかりの寺である大慈恩寺境内にある塔です。
大慈恩寺の歴史や大雁塔と三蔵法師の関係についてご紹介します。
さらに大慈恩寺境内にある大雁塔の景観や三蔵法師がインドから持ち帰った経典の複写などが展示されている玄奘三蔵院内の画像もご紹介しています。
画像で旅する三蔵法師縁の地をお楽しみください。

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大慈恩寺の歴史

大慈恩寺の前身は隋の時代に建てられた無漏寺という寺院です。

「無漏」は仏教用語。
「漏」は煩悩を意味するので、「無漏」は煩悩が無いという意味になります。

無漏寺は隋末に起こった戦乱で焼失し、廃寺となってしまいます。

648年に唐の3代目皇帝である高宗が皇太子の時に、無漏寺の跡地に仏教寺院を再建しました。

それが大慈恩寺です。

大慈恩寺という名前の由来は「慈愛深い母の恩徳を追慕する(慈母の恩)」から来ています。

高宗が大慈恩寺を建てたのは、母の文徳皇后を供養するためでした。

唐時代の大慈恩寺の境内は、現在のおよそ7倍以上もの敷地面積を誇っていたそうですよ^^

さて、845年の会昌の廃仏毀釈により長安にあったほとんどの仏教寺院が廃されましたが、大慈恩寺は廃寺を免れ生き残ることができました。

この時生き残った寺は大慈恩寺を含め、4つしかありませんでした。

唐末の戦乱で大慈恩寺境内の建物は大雁塔だけとなってしまいましたが、その後の改修、拡張で現在の姿に至っています。

現在の大慈恩寺が建てられたのは1550年と言われています。

大雁塔と三蔵法師(玄奘)との関係

大雁塔という塔の名前は、菩薩の化身として雁(がん)の群れから地上に落ちて死んだ1羽を塔を建て埋葬したことに由来しています。

大慈恩寺が三蔵法師ゆかりの寺といわれる所以は、この大雁塔にあります。

三蔵法師玄奘が経典を求めて天竺に旅した物語『西遊記』は有名ですね。

西遊記はフィクションですが、実在した三蔵法師玄奘も西域を旅しています。

三蔵法師玄奘は、11歳で仏教の経典を唱え、13歳で僧となり出家し、28歳の時に仏教の原典を学ぶためにインドへ留学します。

17年後に中国へ帰国した後は、持ち帰った経典の翻訳に人生を捧げ、63歳で亡くなる直前まで経典を翻訳していたといいます。

玄奘三蔵について詳しくお伝えしている記事がありますので、ご覧いただければと思います。

さて、大雁塔ですが、三蔵法師玄奘が西域から帰国し、西域から持ち帰った経典や仏像などを保存するために、当時の唐の第3代皇帝である高宗に申し立てをして、652年に建ててもらった塔です。

大雁塔の建設に三蔵法師玄奘も積極的で、創建当時のインド様式の5層という設計は三蔵法師玄奘の設計によるものでした。

玄奘は経典が火災で焼失しないように石造りの塔を望んだのですが、建設が大変なためレンガと木での建設となったようです。

唐時代の長安には3層以上の建物がほとんど存在しなかったため、大雁塔の高さはひと際目立っていました。

その後何度か改修され、則天武后の時代の704年に10層となり、現在の10層の姿になったのは明の時代ですが、塔の基礎と下層部は創建以来のまま。

現在の大雁塔は高さ64mで7層あり、西安で一番高い建物でシンボルとなっていて、夜にはライトアップもされます。

実は大雁塔は重みで西側(正面から見ると左側)に傾いています。

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大慈恩寺・大雁塔への行き方

最寄り駅は地下鉄3号線の大雁塔駅なのですが、この駅から地上に出ると大慈恩寺の入口とは真逆に出るので、ちょっとわかりづらいです。

でも大雁塔がそびえたっているのが見えるので、どちらの方角に向かって進んでいけばいいのかがわかります。

さすが西安一の高さを誇る大雁塔、良い道標になります^^

こちらが正面です。

大慈恩寺の入り口の向こうにそびえたつのが大雁塔です。

チケット売り場の様子。

こちらが大慈恩寺のチケットです。

大慈恩寺・大雁塔の景観

入場すると、大雁塔がどーんと真正面にそびえたっているのが目に飛び込んできます。

これはお釈迦様が生まれた直後に示した有名な場面。

お釈迦様が生まれた直後に7歩歩き、右手で上(天)を、左手で下(地)を指し、「天上天下唯我独尊(てんじょうてんがゆいがどくそん):この世で私こそ偉いものは存在しない」と言っている場面ですね。

玄奘三蔵院

大慈恩寺境内には、玄奘三蔵院という建物があります。

実際に大慈恩寺を訪れるまではこんな建物があることを知らなかったのですが、中に入ってみました。

象の像。
か…可愛い!!

三蔵法師玄奘の像。

壁一面には三蔵法師玄奘にまつわる彫刻が施され、たくさんの分厚い書が展示されています。

三蔵法師玄奘によって翻訳された経典。

辞書以上に分厚い本。

三蔵法師玄奘がインドへの旅をまとめた大唐西域記、『西遊記』の基となった書物もあります。

玄奘三蔵院は三蔵法師玄奘の資料館ですね。

まとめ

大慈恩寺、大雁塔と三蔵法師玄奘の歴史と関係についてお伝えしてきましたがいかがでしたでしょうか。

何故大慈恩寺が三蔵法師玄奘のゆかりの寺といわれているのか知っていただけたと思います。

こうして歴史や関係を知った上で観光スポットを訪れると、知らないで訪れるより、視野が広がってより深く堪能できると思いますよ^^

ぜひ西安を訪れる際には、大雁塔を訪れてみて下さいね。

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