【ギリシア神話】クノッソス宮殿の歴史とミノタウロスの伝説

                   

ギリシア神話『怪物ミノタウロスの伝説』に登場する迷宮ラビュリントス。
長らく神話上の建物だと思われていましたが1900年の発掘によって実在することが判明しました。
その迷宮ラビュリントスこそがクノッソス宮殿です。
クノッソス宮殿の歴史とギリシア神話との関係、ミノタウロス伝説の詳細についてお伝えします。

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クノッソス宮殿概要

クノッソス宮殿は、ギリシアのクレタ島にある青銅時代最大の遺跡です。

ギリシア神話『怪物ミノタウロスの伝説』はご存知でしょうか。

ミノス王が一度入ったら二度と出ることのできない迷宮を造らせ、そこへ牛頭人身の怪物ミノタウロスを閉じ込めたと伝えられている神話です。

これは長い間、単なる神話だと思われていました。

しかし、1900年にイギリスの考古学者アーサー・エヴァンスによってクノッソス宮殿が発掘されたことにより、迷宮は単なる神話ではなく実在した宮殿であることが判明したのです。

クノッソス宮殿の一辺は160m以上、1200以上もの部屋、4階建ての部分もあったという複雑で巨大な建物。

ギリシア神話『怪物ミノタウロスの伝説』にも登場するミノス王が、今からおよそ3700年前の紀元前18世紀頃に建てたとされています。

当時は王が住む王宮であり、政治・経済・祭祀の中心地としての役割も担っていました。

ギリシア神話『怪物ミノタウロスの伝説』の詳細

ゲームやアニメなどのキャラクターとして登場することがあるので、牛頭人身の怪物ミノタウロスをご存知という方も多いでしょう。

私は大好きなゲーム『ぷよぷよ』のキャラクターである女王様ルルーに仕えるキャラクターとしての印象が強いです。

ぷよぷよ…懐かしい…。

さて、ミノタウロスについて姿かたちは知っているという方は多いと思いますが、元ネタであるギリシア神話の『怪物ミノタウロスの伝説』について詳しく知っているという方はそんなに多くはないのではないでしょうか。

せっかくなので、ここでギリシア神話『怪物ミノタウロスの伝説』について詳しくお伝えしようと思います。

クレタ島のミノス王は強大な勢力を持つ王であり、オリンポス12神の最高神であるゼウスの血を引いていると言われた最高位の神官でもありました。

人間と神という二重の権力の象徴は『両刃の斧(ラブリス)』、その聖域である王の住居は『両刃の斧の家(ラビュリントス)』です。

ミノス王はオリンポス12神のポセイドンに、王位継承の証として立派な牡牛が欲しいとお願いしました。

ポセイドンは贈った牡牛を生贄として捧げるなら、ミノス王に栄光を与えると約束します。

ミノス王はポセイドンから牡牛を贈られましたが、その牡牛のあまりの美しさに生贄にすることをためらい、別の牡牛を生贄としてしまいました。

怒ったポセイドンは、ミノス王の妻であるパーシパエが、贈った牡牛に恋をしてしまうよう仕向け、パーシパエは牡牛と交わって牛頭人身の怪物ミノタウロスを産んでしまいます。

ミノス王は名工であるダイダロスに命じて迷宮を造らせて、ミノタウロスをそこへ閉じ込めました。

そしてミノス王は勢力下にあったアテネに対し、ミノタウロスの生贄として毎年7人の若者と7人の乙女を献上するよう命じます。

生贄を運ぶ船には黒い帆が張られ、国民たちの悲しみを象徴していました。

何度目かの生贄献上の日、テセウスという青年が生贄メンバーの一人としてクノッソスにやってきます。

テセウスの正体はアテネの英雄であり、アテネの王アイゲウスの息子。

ミノス王の献上命令に強い憤りをもったテセウスは怪物ミノタウロスを退治するため、父である王のアイゲウスの反対を押し切って、自ら生贄の一人となったのです。

しかしラビュリントスは脱出不可能と言われる迷宮。

ミノタウロスの退治に成功したとしても、無事迷宮から脱出できるとは限りません。

ミノス王の娘であるアリアドネはテセウスを見て一目ぼれし、自分と結婚することを条件に、テセウスに助言を与えました。

その助言とは、一度入ったら二度と出ることができないと言われている迷宮ラビュリントスからの脱出方法。

具体的には迷宮に入る時に糸玉の糸を垂らしながら進み、迷宮から出る時にその糸をたどって戻るという方法です。

アリアドネはテセウスに赤い麻糸の鞠と短剣を渡します。

テセウスは渡された赤い麻糸の鞠を迷宮ラビュリントスの入り口の扉に結び、アリアドネの助言通り糸を垂らしながら他の生贄たちと一緒に迷宮の奥へ奥へと進んでいきました。

そして怪物ミノタウロスの場所までたどり着きます。

他の生贄が怪物ミノタウロスに怯えている中、テセウスは勇敢にも立ち向かい、アリアドネに渡された短剣で見事ミノタウロスを退治。

そして糸をたどって他の生贄たちと共に迷宮ラビュリントスを無事脱出することに成功します。

テセウスは約束通りアリアドネを妻にするため、アリアドネと共にクレタ島から出港し、アテネへと向かいました。

しかし、テセウスは途中に寄ったナクソス島でアリアドネを置き去りにしてしまいます。

アリアドネを置き去りにした理由は、オリンポス12神のディオニソスがアリアドネに一目ぼれして攫ってしまっために彼女の行方が分からなくなり仕方なくそのまま出港したや、単純にテセウスがアリアドネに興味がなくなったため故意に置き去りにしたなどいろいろな説があります。

テセウスに置き去りにされたアリアドネは、結局ディオニソスと結婚しました。

さてテセウスですが、無事クレタ島から脱出した際には、悲しみを表す黒い帆ではなく喜びを表す白い帆を張って帰還することを父アイゲウスに伝えていたのですが、その約束を忘れてしまい、黒い帆のまま帰還してしまいます。

黒い帆をみた父アイゲウスはテセウスが怪物ミノタウロスに殺されてしまったと思い、絶望して海に身を投げてしまいます。

アイゲウスが身を投げたその海は、彼の名をとってエーゲ海と呼ばれるようになりました。

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ギリシア神話とクノッソス宮殿

ギリシア神話『怪物ミノタウロスの伝説』からは当時のクノッソスの様子が伺えます。

当時クレタ王国がアテネを従属させるほど強大な勢力を持っていたこと、祭儀として牡牛が重要視され神聖化された文化だったことなどです。

史実と当時の人々の想像を盛り込んだものがギリシア神話『怪物ミノタウロスの伝説』を生み出したといえます。

クノッソス宮殿の歴史

クノッソスに人々が居住し始めたのは紀元前7000年頃、当時の人口は1000人だったとも2000人だったとも言われます。

クノッソス宮殿が建てられたのは紀元前1900年頃です。

クノッソス宮殿の建設者は、ギリシア神話『怪物ミノタウロス伝説』では名工ダイダロスでしたが、実際の建設者は不明です。

地震が起こるたびに修復を繰り返していたクノッソス宮殿ですが、紀元前1700年頃に起こったこれまで経験したことのない大規模の地震により崩壊してしまいます。

修復不可能なまでに損害を負ってしまい、一度取り壊してその上に新たに宮殿が造りなおされることとなりました。

新宮殿は新しい建造物が追加され、中央には中庭も造られました。

当時クノッソスはクレタ島で最も力のあった地で、規模も豪華さも最大、海外の周辺諸国への影響力ももち、世界最強の海軍も保有していたと言います。

しかし、紀元前1400年頃に突如として滅んでしまったのです。

時期がちょうどサントリーニ島の大噴火と重なることから地震と津波の影響とも、あるいは後に文明を築いたミケーネ人による攻撃によるとも言われていますが、現在でも本当の原因はわかっておりません。

まとめ

クノッソス宮殿について歴史や神話を元にご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。

クノッソス宮殿はギリシア神話『怪物ミノタウロスの伝説』の舞台となった場所であり、神話に登場する迷宮ラビュリントスがクノッソス宮殿です。

『ラビュリントス』とは、怪物ミノタウロスの住処とした迷宮(ラビュリントス)という意味だけでなく、「両刃の斧(ラブリス)」を象徴するミノスの王宮クノッソスの意味も含まれています。

怪物ミノタウロスが実在したかは不明ですが、迷宮は確かに存在しました。

歴史と神話が融合した素晴らしいクノッソス宮殿を画像で堪能できる記事もありますので、ぜひご覧ください。

栄華を極めていたクノッソスが、紀元前1400年頃に突如として姿を消すことになってしまいますが、そのはっきりとした原因は不明です。

『怪物ミノタウロスの伝説』は廃墟となったクノッソス宮殿を見てギリシア人たちが想像した物語。

歴史と神話が織りなす巨大な宮殿跡に、様々な想像を掻き立てられる魅力ある観光スポットです。

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